交通事故による水頭症が増えている


水頭症という脳の病気がありますが、聞いたことがあるでしょうか。生まれて間もない赤ちゃんが生まれつき水頭症であるというケースもありますが、大人になってから、交通事故に遭い、その事故の後遺症として水頭症になる事も今増えています。

水頭症について、そして交通事故でどのように発症するのか詳しく見ていきましょう。

水頭症とはどのような病気なのか

水頭症とは、脳と脊髄の表面にあるくも膜下腔にある脳脊髄液が何らかの原因で増えて溜まり、脳の内部で分かれている部屋が腫れる病気です。脳の内部に分かれている部屋というのは風船のようで、部屋が4つあるのですが、脳室と呼ばれています。

ここが腫れてしまいますので、脳に影響を与えます。具体的には頭蓋骨内面にある大脳半球という場所が腫れて外に押し付けられますので、その影響から脳障害が起きてしまう病気です。そもそもこの脳脊髄液というのは、脳を守る働きをしていて、脳が外からの刺激や衝撃から影響を受けないように保護するために存在しています。

脳圧という脳の中の圧力を調整しているのも脳脊髄液です。また、脳の老廃物を排泄したり、栄養、ホルモンなどを運ぶのにも役立っています。交通事故によってこの脳脊髄液の循環が悪くなる、もしくは増えて循環しにくくなると、脳室の中に脳脊髄液がたまっていき、その結果脳室が腫れあがってくるという仕組みです。

そして脳室が腫れあがり脳が圧迫されれば脳障害として色々な症状が現れます。

水頭症の様々な症状について

交通事故後、水頭症になった場合に、どのような状態になるのか症状を見ていきましょう。脳圧が脳脊髄液が脳室の中に蓄積されたことによって高まりますので、その結果、頭痛が起きたり、嘔吐や意識障害が起きる事になります。

しかも大人で交通事故に遭ったことがきっかけで水頭症になった場合の症状としては急性増悪しますので注意が必要です。腫れあがって循環しなくなると今紹介したような症状が起きますが、脳室の中で閉塞せずになんとか循環している場合には、脳室拡大、つまり腫れはみられるものの、脳の中の圧力はそのまま正常な状態を保っている事が大半ですので、上記症状ではなく、歩行障害や認知症になる、尿失禁などの症状が現れます。

交通事故に遭って体は大丈夫だったとしても、数日たってから歩けなくなった、認知症のような症状が現れだした、尿失禁をしているなどの症状があった場合には注意が必要です。

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水頭症の検査方法はこのように行われる

交通事故後に水頭症であるかどうかは、検査をすればわかります。水頭症かもしれないという疑いが出たら、頭痛、嘔吐があるかどうか、場合によっては意識障害が起きる事もありますので、それらを観察して、CTによる画像検査やMRIの断層撮影をして脳を確認します。

正常水頭症の場合は、歩けない、認知症のような症状が現れる、尿失禁があるなどの特徴的な症状がありますので、それらを観察したうえでCTやMRIといった断層撮影をする事、そして髄液の排除試験と呼ばれる髄液を脊髄から抜いてテストしてみるという検査方法が行われます。

水頭症になったらどう治療する?

交通事故による水頭症になってしまった場合の治療方法ですが、症状はなぜ起きているのか、その原因によっても違いがあります。水頭症の大半は脳室の中に髄液が満たされて閉塞しているから起きており、髄液が吸収されないことが原因です。

そのため脳の中で過剰に脳髄液がたまりますので、髄液を単純に減らす、調整する治療が行われます。外科的な手術をする事もあり、シャント手術と呼ばれる手術をしますし、内視鏡を使った第三脳室底開窓術という手術をする事もあります。

大半のケースで腫れてしまった脳室の中にカテーテルを入れて、髄液をほかの場所に流して、脳の圧力を減らすというシャント術をするのが一般的です。シャント術といっても腫れあがっている場所からどこへシャントするのか種類があります。

腹腔へのシャント、心房へのシャントといったように種類があるのです。近頃は腰椎から腹腔へのシャントが多く行われています。手術にかかる時間は全身麻酔をして1時間程度です。脳外科の手術と聞くと難易度も高く、後遺症が残るのではないか、失敗するのではないかという不安もあるかもしれませんが、比較的簡単な手術ですので、怖いものではありません。

水頭症の術後の注意点について

交通事故後に水頭症になり、その後シャント術を受けた後には注意点がいくつかあります。術後の注意点としては、シャント手術を受けるという事は、どのケースであっても、体の中に異物を入れます。その異物を入れるという事がトラブルになる事も多いでしょう。

一番多い術後の合併症としては感染症です。シャントに使用するカテーテルを体の外から中に入れた事によってその部分からの感染症が起きやすいので注意が必要です。またシャントのカテーテルそのものの問題もあり、シャントカテーテルの中に異物が詰まる、破損する、途中で切れてしまうなどのトラブルもあります。

シャント機能不全と呼ばれる状態で、どのような場合でも起きる可能性があると言われています。

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交通事故による水頭症の因果関係について

交通事故では体にその後不調や異変が起きた場合に重要になる事が因果関係です。水頭症が本当に交通事故が原因で引き起こされているのかどうか、その因果関係が重要になってきます。脳脊髄液がうまく循環しなくなった原因が、交通事故によるものだという事を明らかにしなければ、その治療費やその病気そのものが交通事故と関係ないとみなされますので注意が必要です。

相手がいる場合の交通事故では、そういった面を明らかにしていく必要があります。弁護士に依頼する場合には、この因果関係を明らかにできる医療系に強い弁護士に依頼する必要がありますし、病院の医師にも、交通事故との因果関係が明らかになるように証明してもらうようにする必要もあります。

それらが証明されなければなかなか交通事故によって水頭症が引き起こされたという事がわかりにくいのが現状です。医師の診断書と、そして弁護士がいる場合には先方との話し合いで因果関係を明らかにしてもらう事が必要になるでしょう。

弁護士に依頼する場合は、これまでに交通事故案件を沢山受けている弁護士に依頼する事が、実績があって安心なのかもしれません。